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失敗しない便座選び!交換前に絶対確認すべきサイズ・形状・固定方式
便座交換のDIYで最も多く、そして最も悲しい失敗が、「意気揚々と買ってきた新しい便座が、自宅の便器に取り付けられなかった」という、サイズや形状の確認ミスです。このような失敗を避け、一発で最適な便座を見つけるためには、購入前に、自宅の便器の寸法を正確に測定し、その特徴を把握しておくことが不可欠です。確認すべきポイントは、大きく分けて「便座の形状」「サイズ」「固定方式」の三つです。まず、「便座の形状」には、主に二種類あります。先端が丸みを帯びた「丸形(標準サイズ)」と、先端が少し尖ったような楕円形の「前長(エロンゲート)サイズ」です。見た目でも判断できますが、便器のメーカーと型番が分かれば、より確実にどちらのタイプかを確認できます。次に、最も重要なのが「サイズ」の測定です。メジャーを用意し、最低でも以下の三つの長さを測っておきましょう。一つ目は、「便器の取り付け穴から、便器の先端までの長さ」。二つ目は、「二つある取り付け穴の、中心から中心までの間隔」。そして三つ目は、「便座全体の縦の長さ」です。特に、取り付け穴の間隔は、国産の便器であれば、ほとんどが140mmという標準規格で作られていますが、海外製や特殊なデザインの便器の場合は、異なることがあるため、必ず測定が必要です。これらの測定値をメモしてお店に行けば、適合する便座を簡単に見つけることができます。最後に、見落としがちなのが、便座を固定するボルトの「固定方式」です。従来からあるのが、便器の裏側に手を回してナットで締め付ける「下締めタイプ」です。しかし、近年の便器は、デザイン性の観点から、便器の裏側に手が入りにくいスカート状のものが増えています。このような便器には、便器の上からドライバーなどでボルトを締め付けることができる「上締めタイプ」の便座を選ぶ必要があります。自宅の便器の裏側に、ナットを回すための十分なスペースがあるかどうかを、事前に確認しておきましょう。これらの「形状」「サイズ」「固定方式」という三つのポイントを、購入前にしっかりとチェックしておくこと。それが、失敗しない便座選びのための、絶対的なルールなのです。
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床排水?壁排水?自宅トイレの配管方式を見分ける方法
トイレの排水管の構造を理解する上で、最も重要で、かつ最初に確認すべきなのが、便器からの排水が「床」に向かって抜けているか、「壁」に向かって抜けているか、という「排水方式」の違いです。この違いによって、設置できる便器の種類や、リフォームの自由度が大きく変わってきます。まず、現在の日本の戸建てやマンションで最も一般的なのが「床排水」方式です。これは、便器の真下にある排水口から、汚水が床下の排水管へと直接流れ落ちていくタイプです。見分け方は非常に簡単で、便器の後ろや側面を見ても、太い排水管が見えないのが特徴です。便器が床に直接ボルトで固定されており、配管はすべて床下に隠れているため、見た目がスッキリしています。この床排水方式のトイレを交換する際に重要になるのが、「排水芯(はいすいしん)」と呼ばれる寸法です。これは、壁から排水管の中心までの距離を示すもので、一般的には200mmが標準ですが、古い住宅やリフォーム用の便器では、305mm〜540mmなど、様々な寸法のものがあります。新しい便器を選ぶ際は、この排水芯の距離に適合した製品を選ぶ必要があります。一方、マンションの中高層階などで見られるのが「壁排水」方式です。これは、便器の後方から突き出た排水管が、壁の中を通る排水管へと接続されているタイプです。便器の後ろを覗き込むと、壁に向かって太い蛇腹状のパイプや、塩ビ管が接続されているのが見えるため、一目で見分けることができます。壁排水方式で重要になるのは、床から排水管の中心までの高さを示す「排水高」です。一般的には120mmか150mmが標準的な高さとなります。このように、自宅のトイレが床排水なのか、壁排水なのかを把握することは、DIYで便器を交換したり、リフォームを計画したりする際の、絶対的な前提条件となるのです。